老人ホームに必要なお風呂設備一覧と導入ポイント|安全・効率・コストを両立する設計の考え方

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「入浴設備の設計、どうすれば安心で効率的にできるのか…」
老人ホームづくりを進める中で、こんな悩みを感じていませんか?

  • 入居者の身体機能や介護度に合わせた浴槽の種類がわからない
  • 転倒事故やレジオネラ菌など、安全面の不安がある
  • スタッフ動線や給湯コストをどう最適化すればよいか悩んでいる

入浴環境の設計は、入居者の快適さと施設運営の効率を左右する重要な要素です。

本記事では、老人ホームに必要なお風呂設備の種類や特徴を整理し、設計・導入時のポイントをわかりやすく解説します。安全で経済的な浴室づくりのヒントを、一緒に見ていきましょう。

温浴設備の設計・導入・メンテナンスなら、株式会社ダイレオへ

年間1,000施設以上の納入実績!豊富な導入実績により培われたノウハウで、御社に最適なソリューションを提供いたします。まずはお気軽にご相談(無料)下さい。

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※受付時間|10:00~17:00(平日)

紺田眞二 東京支店長 兼 営業部部長

株式会社ダイレオの企画開発部に新卒で入社し、温浴設備に関わる商品の開発・設計に携わりました。
その後、営業部に異動し、温浴施設やホテル・旅館向けの商品を中心に、設計事務所・建設会社・設備会社など多くの取引先に対して、温浴設備やシステムの提案・導入を行ってまいりました。
保有資格:建築設備士/1級管工事施工管理技士/給水装置工事主任技術者/2級福祉住環境コーディネーターなど

目次

老人ホームのお風呂設備が運営において重要な理由

老人ホームのお風呂設備が運営において重要な理由

入浴設備は「安全」と「サービス品質」を支える基幹インフラ

老人ホームにおける入浴設備は、単なる生活設備ではなく「介護サービスの品質」を左右する中核的なインフラです。入浴は身体の清潔維持や血行促進、リラクゼーション効果をもたらすだけでなく、入居者の満足度や施設の印象にも直結します。

特に介護施設では、利用者の安全確保・感染症予防・スタッフの作業効率が運営コストに大きく関係するため、設備選定を軽視することはできません

介護度・スタッフ動線・衛生管理を考慮した設計の必要性

高齢者の身体機能や介護度に応じて、浴槽の形状・高さ・出入口の幅を調整することが求められます。
さらに、介助スタッフがスムーズに移動できるよう「動線設計」を最初の段階から計画することが重要です。

衛生面では、給湯配管やろ過装置の管理が不十分だとレジオネラ属菌の繁殖を招く可能性があるため、衛生・安全・作業効率の三位一体設計が理想です

事故・感染・コストリスクを防ぐための設備計画の基本視点

老人ホームの入浴環境は、転倒ややけどなどの事故だけでなく、熱源や給湯効率にも注意が必要です。

ランニングコストを抑えながら安全を確保するには、以下の3点を設計段階から考慮します。

  • 熱源効率の高い給湯システム(循環効率・制御機能の最適化)
  • 換気・乾燥性能の確保(カビ・結露防止)
  • 温度・水量の自動制御(人的ミス防止)

導入が検討されるお風呂設備の種類と特徴

個浴(一般浴槽)|自立度が高い利用者向けの基本設備

自立歩行が可能な利用者向けの浴槽で、家庭用に近い構造をしています。手すりや滑り止め床など安全対策を施し、清掃性・維持性にも配慮します。

ただし、設計時にはスタッフの視認性を確保しつつ、プライバシーにも配慮した間仕切り配置が求められます

中間浴(チェア浴)・機械浴槽|介助効率を高める入浴支援機器

チェア浴は座位姿勢で入浴できる方式で、半介助が必要な方に適しています。
機械浴槽はリフトやストレッチャーに対応し、全介助者にも安全に利用できるのが特徴です。

導入時は設置スペース・排水能力・メンテナンス体制の確認が不可欠です。

ユニット浴・大浴場型|複数利用やゾーニング対応の設計例

中〜大規模施設では、複数人が同時に入浴できるユニット型や大浴場タイプが採用されます。

衛生面のリスクが高まるため、自動ろ過装置や温度センサー付きの給湯制御を導入することで、安全性と運用効率を両立できます。

人工温泉・循環・ろ過システム|快適性と維持コストの両立

入居者の満足度を高めるため、人工温泉装置や循環ろ過システムを導入する施設も増えています。

この場合は、塩素濃度管理・配管洗浄頻度・制御装置の自動化がポイントになります。設計段階から専用のろ過ユニットを想定しておくことで、後付けよりもコストを抑えられます。

安全・衛生・効率を確保するための設計・運用ポイント

安全設計の基本:転倒・やけど・ヒートショックを防ぐ環境づくり

入浴時の事故を防ぐためには、滑りにくい床材、断熱仕様の浴槽、温度自動制御など多層的な安全設計が必要です。特に高齢者施設では、急激な温度変化によるヒートショック防止が重要で、脱衣室・浴室間の温度差対策も忘れてはいけません。

設計段階から安全仕様を組み込むことで、入居者だけでなくスタッフの介助負担も軽減できます。

衛生管理の徹底:給湯・ろ過システムによるレジオネラ属菌対策

循環式浴槽を使用する場合、給湯・ろ過システムの衛生設計が運営の要となります。水温や塩素濃度を一定に保つ制御システムを整備し、配管内部のバイオフィルムを防ぐ自動洗浄機能を導入することで、レジオネラ属菌の発生リスクを大幅に低減できます。

ダイレオの自動制御による監視と衛生管理を組み合わせることで、日常点検の省力化と基準遵守を同時に実現できます。衛生性能の高い設備は初期投資が必要になりますが、補助金や助成金を活用すれば導入コストを抑えることも可能です。

補助対象や条件の詳細は、【介護施設の開業・設立・運営に活用できる補助金・助成金制度を解説!費用や条件も紹介】で詳しく紹介しています。

動線設計の工夫:介助しやすく安全に使える浴室レイアウト

浴室は「人の流れ」を優先に設計することが大切です。出入口の幅、脱衣スペースとの連続性、ストレッチャー移動経路を考慮し、介助動作をスムーズに行える配置を設けましょう。

また、透明パネルによる視認性の確保や、緊急呼び出しボタンの配置など、万が一に備えた安全対策も欠かせません。

運用効率の向上:遠隔監視と自動制御による省力化・安定運営

最新の浴室設備では、温度・水量・ポンプ稼働などをIoT制御でリアルタイム監視できます。異常を検知すると自動でアラートが発信され、現場対応前にトラブルを察知可能です。

こうした遠隔監視・自動制御システムを導入することで、巡回点検の手間を減らし、少人数運営でも安定した入浴環境を維持できます。

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施設タイプ別にみる浴室設計と導入の考え方

特別養護老人ホーム|全介助対応を前提とした安全重視設計

特養では、要介護度の高い利用者が多いため、ストレッチャー浴や機械浴槽を中心に構成されます。給湯能力と換気効率を十分に確保し、排水能力を超える同時利用を避けることがポイントです。

有料老人ホーム|プライバシーと快適性を重視した浴室構成

居室ごとに個浴を設置するタイプも多く、利用者のプライバシーと快適性を両立させる設計が求められます。ただし、見た目の高級感だけでなく、清掃性・給湯能力の分散・維持管理コストまで考慮しなければ、長期運営で負担が増える場合もあります。

浴室を含む設備計画は、開設初期の段階から全体のコストバランスを見据えて進めることが大切です。

施設の設計・開業計画を立てる際の流れについては、【有料老人ホーム開業に必要な費用・資格・基準・流れを解説】もあわせて参考にしてください。

グループホーム・サ高住|家庭的で省スペースな浴槽計画

少人数ユニットでは、家庭用浴槽+安全補助設備の組み合わせが主流です。狭い空間でも導線を工夫し、換気・照明・温度制御を自動化することで快適性を確保します。

老人ホームへのお風呂設備導入の進め方と注意ポイント

老人ホームへのお風呂設備導入の進め方と注意ポイント

設計初期に検討すべき導入条件と配管・給湯計画

配管経路・湯水分離・圧力損失など、設計初期の段階で条件を整理することで、後のトラブルを防げます。
特に給湯負荷の高い大浴場タイプは、設計段階から専門メーカーとの協働が不可欠です。

機器選定とメーカー体制のチェックポイント

入浴設備の導入では、単に機器の性能だけでなく、運用・保守までを見据えた総合的な選定が欠かせません。

導入後のトラブルを防ぐため、次の項目を事前に確認しておきましょう。

  • 給湯能力
    ピーク時でも十分な湯量を安定供給できるか

  • ろ過・循環ユニットのメンテナンス周期
    清掃・部品交換の頻度やコスト

  • サポート体制
    遠隔監視や緊急時の故障対応が整っているか

  • 部材供給性
    交換部品が容易に入手できるか、メーカー在庫の安定性

これらを事前に把握しておくことで、長期運用時の保守負担やコストリスクを大幅に抑制できます。

設計・施工・保守を一貫して考えるパートナー選定の重要性

浴室設備の導入では、設計・施工・メンテナンスを複数業者で分担すると、責任範囲が曖昧になりトラブルが発生しやすくなります。そのため、設計段階から施工・保守まで一貫対応できるメーカーを選ぶことが最も重要です。

統合体制を取るパートナーなら、配管レイアウトや給湯能力の最適化、トラブル発生時の即応までスムーズに行えます

まとめ|設計段階から専門メーカーと連携し、安心・効率的な入浴環境を

老人ホームのお風呂設備は、入居者の安全・快適性だけでなく、施設の運営効率やコストにも直結します。転倒防止・衛生管理・省エネ・メンテナンスのすべてを満たすには、設計段階からの専門的視点が欠かせません。

設備更新や新規開設を検討している方は、給湯・ろ過・制御をトータルに設計できる専門メーカーに早期相談することが成功の鍵です

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監修者

紺田眞二のアバター 紺田眞二 東京支店長兼営業部部長

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その後、営業部に異動し、温浴施設やホテル・旅館向けの商品を中心に、設計事務所・建設会社・設備会社など多くの取引先に対して、温浴設備やシステムの提案・導入を行ってまいりました。
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